これをE217系に置き換える過渡期に、双方を混結させる話があったのは(一部界隈で)有名な話ですね。
E217系の量産先行車・フナF-02編成(当時)の1号車・クハE216-2002に113系との読替装置および113系用のKE70ジャンパ栓を設置し、実際に試運転を行ったものの、混用すると乗車位置が合わないなどの理由で営業運転では実施されませんでした。
なお、近鉄や小田急では異なるブレーキ方式の車両を読替装置を介して連結し営業運転をしていたようで、ドア位置の問題が無ければ営業入りも実現していたのでしょうか。
それらの装備類は、首都圏から113系が完全に消えた今でも残っています。
当時は基本編成の1号車だったクハE216-2002は、トイレ関連の組み替えにより現在ではY-142編成(付属)の増1号車に連結されています。
まずジャンパ栓
連結器左のジャンパ栓のうち、右の大きい方がKE70です。
現在は強化スカートが被ってしまいフタを開けることはできないでしょう。
そして読替装置
「ブレーキ読替装置」「読替装置」と書かれたこの箱、まさにそれでしょうか。
前者はE217系の電気指令ブレーキと113系の電磁直通ブレーキの読替を、後者はマスコンなどその他の読替を担っていたと思われます。
ブレーキ読替装置の銘板を見てみると、「BT05ブレーキ読替装置」「製造番号 0248」「製造年月 6年5月」が読み取れます。同車の落成は1994年(H6年)8月のため、落成時より搭載していたのでしょう。
奥から2番目のドア下にあります。
E217系の113系併結の話を調べると、一部では『読替装置は撤去された』という話が出回っていますが現存しています。
この手の装置は乗務員室に切替スイッチがありそうですが、それの有無は不明です。(連結した時中間に入る車両じゃないので、ジロジロ観察しにくいんですよねぇー)
参考までに
クハE216-2000(基本1号車)
クハE216-1000(増結1号車)
いずれも読替装置の場所には何もありません。
一方
クハE216-2072(Y-2編成)
一部の車両にはこのような箱が設置されています。こちらの場合は銘板がよく読み取れず、何なのかは不明です。
このあたりは今後詳しく調べる必要があります。
ちなみに
ポッポの丘に保存されているクハ111-1000を見てみると、連結器右の3つのジャンパ栓のうち左端にあるのがKE70です。
この栓受がある車両は千葉方(11号車,増4号車)を向いていたので、久里浜方のクハE216にそのまま繋げられることに。
営業運転で実現していたら、なかなか面白い光景が繰り広げられていたのでしょう。見たかったなぁ。